介護への備え

老化に伴い体力や回復力は落ちています。ケガや病気などをきっかけに、いつ介護が必要になるかわかりません。介護が必要になった時には、体の状態にあわせて家をバリアフリーにリフォームしたり、サポートしてくれるサービスを利用することで、自分らしく暮らすことができます。。
家をバリアフリー化する
家をバリアフリー化する際のポイントを紹介します。一部のバリアフリー工事には、各自治体の補助金が使える場合があります。
玄関
- ・段差がある場合は補助手すりを設置する
- ・スロープを設置して車いす対応にする
家の中のドア
- ・引き戸を導入して出入りがしやすいようにする
階段
- ・手すりを設置して転倒を防止する
- ・階段を利用せず1階で生活できるようにする
浴室
- ・浴槽と洗い場の移動が高リスク。手すりとステップを追加する。
- ・滑りにくい床材に変更する
- ・脱衣室に暖房を設置してヒートショックを防ぐ
トイレ
- ・和式であれば洋式に変更する
- ・立ち上がる時の手すりを設置する
家事代行サービスを利用する
今まで当たり前にできていた家事に不安を感じるようになったら、家事代行サービスを利用するのがおすすめです。足腰に負担がかかるところだけを手伝ってもらうこともできます。まずは相談して見積もりを取って検討しましょう。
例えばこんな時に
- ・お風呂の掃除など足腰に負担がかかること
- ・遠くの店まで代わりに買い物
- ・広いお庭の掃除など体力が必要なこと
- ・脚立などが必要な高所の作業
介護施設への入所を準備する
介護が必要になってきたら、将来の備えとして介護施設への入所を検討しておきましょう。まだ動けるうちに見学しておき、自分のお気に入りの施設を見つけておけば、家族も慌てずに対応できます。利用料金にも差があるので、資金と合わせて検討してください。
家族の代わりに身元保証サービス
施設等への入所には、保証人が必要です。家族が保証人になることが一般的ですが、もし頼れる家族がいない場合は「身元保証サービス」を利用できます。入居時の保証人になるだけでなく、緊急時の連絡先にもなってくれます。
万が一への備え

大病のリスクはすべての人にありますが、年齢を重ねると、そのリスクが高まります。もし自分が重病になって意志を伝えられなくなった時のために、治療の方針や臓器提供への考えを決めておきましょう。難しい判断を家族にさせることを避けることができます。
延命治療について
延命治療とは、病気や老化で生命の維持ができなくなった患者に対して、回復ではなく延命を目的に行う医療的な措置です。自分が延命治療を望んでいるかどうか、しっかり家族と話し合いましょう。公証役場で「尊厳死宣言公正証書」を作成し、延命措置を差し控える意思表示をすることもできます。
臓器提供について
臓器提供への考え方も、しっかり意思表示を行っていないと家族が判断できません。臓器提供の意思表示は、「臓器提供意思表示カード」のほか、マイナンバーカードや運転免許証でもできます。提供したい場合も、したくない場合も、あらかじめ意思表示しておきましょう。
一人暮らしへの備え

高齢での一人暮らしは、若いときとは違います。できないことも増えますし、いろいろなリスクがあります。離れて暮らす家族を安心させるためにも、見守りサービスや防犯対策など、一人暮らしへの備えを怠らないようにしましょう。さらに、もしもの認知症のことも考えておくと安心です。
見守りサービス
主に一人暮らしの高齢者をサポートするためのサービスです。センサー等を用いた自動管理から、家事等のサポート、話し相手まで幅広いサービスがあるので、自分の状態に合わせて利用することで、離れて暮らす家族も安心できます。
見守りサービスの例
- ・センサーやカメラを設置するサービス
- ・地域ボランティアによる見守り活動
- ・スタッフが食事や家事を行う企業のサービス
ホームセキュリティ
ホームセキュリティ会社は、見守りサービス+防犯のサービスを提供しています。防犯についてはカメラやセンサーを設置して遠隔監視。万が一の際にはプロのガードマンが駆けつけてくれます。
ホームセキュリティのメリット
- ・防犯環境が向上する
- ・犯罪者から狙われにくくなる
- ・見守りサービスも利用できる
成年後見制度
どんな人にも認知症への不安があると思います。重要なことを一人で決められなくなった際に、財産管理や身上保護などを行って、本人の意志を尊重した支援を行うのが成年後見制度です。その中でも、認知症等に備えて、一人で決められるうちに自分で選んだ後見人と契約するのが「任意後見契約制度」です。公証人の作成する公正証書によって契約を結ぶことができます。